主語がない会話、アレが多い会話、テーマ説明のない会話

家庭の中での会話には主語が無い場合がしばしばある。生活の中で状況を共有していれば、いちいち言わなくても分るはず、という思いが家族の中にあるからだろうが、家族のそれぞれが家庭外の人とも関りを持っているので、日頃から話をお互いにしていても分からない時が多々ある。これはアレにも通じる。会話の中で、「アレをアレして」と言われても直ぐには分からない。「畑に米ぬかの袋を運ぶ」という意味なのだが、これは生活の中でどこまで状況を共有しているかの、無意識のテストになっているのかもしれない。

昔ある漫才師が付き人に「状況を読め!」と言って読みきれない付き人を殴ったという話を聞いたことがある。状況が読めるということは文脈を読めるということでもあり、確かに大事なことだ。しかし、状況を読む勘が段々衰えてくる老年になると、主語の無い会話、アレが多い会話はちょっと負担になる。やはり丁寧な会話が必要になってくる。

まず話す内容のテーマ設定、何が主語になるか、人間関係、何を共有したら良いのか、順序立てて話すことが相手への思いやりになるのではないか。