人と比べない
今朝、NHKのこころの時代で村主康瑞さんが荒野に生きるサボテンに教えられたという「いのち」と「仏道」の話をされていた。西国三十三所札所、兵庫県宝塚市の中山寺の長老・村主康瑞さんは50年以上サボテンを育てて専門書まで出しているとのこと。お話の中で特に心に響いたのは、人間の弱さとして「人と比べる」という指摘だった。私は私のままでいい。この境地に私自身60歳の後半になって、やっと達することができるようになった。きっかけは野菜栽培だ。野菜はそれぞれ個性を持ち、独自性を持っている。比較しない、あるがまま、という生き方を、またコンパ二オンプランツからは互いに自分にできること、持ち味を活かして助け合うという姿勢を学ぶことができた。
キリスト教文化の中にある欧米人は天の神と垂直的につながり、個人主義を確立していくことができるのだろうが、そのような文化を持たない日本人は自然の中で個人主義ではなく、あるがまま、さらには無私の自分自身を見出していくのかもしれない。無私であれば比較する世界から無縁になる。サボテンも野菜も同じ植物。村主康瑞さんのお話を聞きながらなんども頷いたことだ。