人生、仕事の仕方についての教え

 

以前「人間学」が流行ったことがあった。安岡正篤氏の本がよく読まれた。いや今でも読まれているようだ。近くの本屋に行くと、人間学の棚があり、安岡正篤氏の本が並んでいる。私自身、安岡正篤氏の本、あるいは解説本を何冊か読んだが、やや高尚過ぎて理解はできるが実行する、という点ではなかなか難しかったように記憶している。それなりの企業の経営者向きの本、ということもあったのだろう。私は安岡氏の本よりも、邑井操氏、桜木健古氏、城野宏氏、田中真澄氏、加藤諦三氏の本に親しみを感じ、折に触れて読んでいる。邑井氏はシベリア抑留の経験者、一時は講談師になったとのことで、読みやすく、しかも説得力がある。講演も多かったとのこと。桜木氏は中日新聞外信部記者を経てドイツ特派員として活躍後、著述業となる。城野宏氏は第二次世界大戦後、中国に残り、山西軍を指揮して、現代版三国鼎立を図るも戦いに敗れ、太原刑務所に収監され、銃殺刑の危機に直面する。帰国後脳力開発に力を注ぐ。田中氏は日経マグローヒルの販売長を経て独立し、社会教育家として講演・著述活動に入る。加藤諦三氏は心理学の分野で数多くの著作を出している。城野氏以外は30代、40代の頃によく読んだ。今読んでみて、改めて分かることがある。田中氏と加藤氏以外の3氏は既に亡くなっているが、人生と仕事と社会の基本的なことを触れているので、今読んでも色あせることはない。人生の極限状況を経験している邑井氏と城野氏の著作には特に教えられることが多い。知識だけではなく胆識の世界が広がっている。