人生の夕昏時

人生を天候に譬えると、私の場合は晴れの日よりも曇り、雨の日の方が多かったように思う。それらの大部分は自分の能力の足りなさ、努力不足、また人間的に未熟だったことから来ていると気付かされる。今日は久しぶりで自分が仕事でお世話になった人達のことを思い出し、素直な気持で「申し訳ありませんでした」と心の中でお詫びした。多くの失敗をした。今でも思い出すと冷や汗がでるし、心もチクチク痛む。仕事をしながら、どこかで自分探しをしていた。家族もいるのにまだ青臭い考えを持っていた。役に立たない社員だったと思う。そして今。一日に譬えると雨が上がり夕陽がさしている。木の葉の雨滴が光り、物象の影が濃くて長い。そんな一時かもしれない。夜が来る前の夕陽がまだ明るい時が与えられている。光あるうちに光の中を歩め、という格言もある。私らしい、誰かから「やっと使いものになったな」と言われるような「何か」を成し遂げて、人生の夜を迎えたいと切望している。