人生はボクシングなのかもしれない
今朝NHKで女子のアマチュアボクサーしずちゃんと梅津トレーナーのトレーニングと試合の様子のドキュメンタリーが放送されていた。梅津トレーナーは肝臓癌で余命宣告を受けながらも、しずちゃんを国際試合で闘える選手にするために文字通り命を削りながら鍛えている。リングの上で勝つということは大変なことなのだ。しずちゃんがリングの上に上がって床についた戦いで流された血しぶきの後を見ながら、下から見ていたら分からない、と言っていたが、この言葉は胸に響く。苦楽を共にしてきた梅津トレーナーはしずちゃんの次の試合を見ることなくこの世を去ったが、亡くなる4日前まで病室でしずちゃんに下半身を使ってパンチを出すことを教えていた。そしてしずちゃんに残した言葉は「自分のために闘え」だ。この様子を見ながら、私は唐突に思った。人生はボクシングなのかもしれない、と。人は外の敵と同時に自分と戦わなければならない。自分の甘さ、弱さと闘わなければならない。外の敵、失敗、挫折、試練は私に向ってパンチを繰り出してくる。それも容赦なく。それに対して私も応戦のパンチを打つ。しかし、自分の甘さ、弱さがパンチの力を弱くしてしまう。私は倒れる。それでも人生というリングは倒れたままでは許さない。つねに立ち上がれと声をかけてくる。厳しいトレーナーのように。そうして私たちは自分の壁を一つ一つ超えていくのだろう。立ち上がる、闘い続ける、諦めない、壁を一つ一つ崩し、乗り越えていく。ボクサーもアイススケートの選手もそのような精神的な闘い、格闘を経て現在の立場に立っている、と私は改めて感じている。昨晩の全日本アイススケートを見ながら、それぞれの選手人生を闘い続けてきた町田樹選手、鈴木明子選手に心からの拍手を送った。