人生は出会いと別れ

人生は出会いと別れで織り成されている、と言っても過言ではないだろう。私自身、多くの人と出会い、また別れてきた。出会いは偶然のようでもあり、会うべくして会った必然のようにも思える。別れは辛い別れもあったが、いつの間にか別れてしまった人もいる。その中でいまでも付き合いが続いている人もいる。また別れてしまったが、心の中には何時までも残り続けている人もいる。その中には、あの人のお陰で今日の私がある、と感謝と共に思い出す人もいるが、一方で罪責感とともに思い出す人もいる。「本当に申し訳なかった」。最近友人のN氏と会食をしている時、N氏がこう言った。「若い時には波長の合わない、嫌な人とも付き合わなければならなかったが、この齢になると波長の合わない人と無理して付き合うのは御免蒙りたい」と。N氏の話を聞いて思ったことだが、やはり「類は友を呼ぶ」という言葉を思い出した。気の合った者や似通った者は自然に寄り集まる。

そのためには、自分がどんな人間か、どのようなことに興味を持っているか、何を目的②物事に取り組むのか、ということを自分なりのやり方で情報発信していくことが大切なことなのだろう。その意味ではシニアになって出会う人は若い時に出会う人と一味違うのではないか。私自身、若い時には意識しなかったが、シニアになってから出会う人に、何故この人と出会うことになったのか、思い巡らす時がある。N氏との出会い、K氏との出会い、S氏との出会い。皆シニアの人達だ。友人のM氏が今月の5日に亡くなった。ベトナム戦争当時、ベトナムの国境に接したタイのある地区で農業指導をしていた。その時米軍が撒いた枯葉作戦用の薬剤を浴びて、以後後遺症に苦しんだ。視力を失い、最後は人工透析に通う日々だった。死は別れの中でも特別だ。生きていればいつ何時会えるかも知れないが、死は永遠の別れとなる。