今現在を生きる

最近思うことは「人生は短い、アッという間だ」ということだ。以前人生の先輩から「だから自分がやりたいと思うことをやっておかないと悔いが残るよ」と言われたことを思い出す。また未来に向って前のめりになっていた時に、「今日を生きること、この日を生きること大事だ」とある本から教えられた。しかし、今はこうだが、頑張れば輝かしい未来がある、という暗示の中で長いこと生きて、働いてきたので、「今日を生きる」という感覚がどうもピンとこない。言い換えれば現在は常に未来のためにあるので、現在はあくまで未来に向けての通過点だ、という意識が強くあったように思う。また未来は完全で、現在は不完全状態。その欠けたところを埋めるために努力するんだ・・・目の前にぶら下がり、いつまでたっても食べられないニンジンに首を伸ばしながら走っているような徒労感がいつもつきまとっていた。そしてある時期から未来にために生きることを止めて、今、ここ今日一日のために生きる、という気持ちにいつの間にかなっていった。一日一日をゆっくり歩けばいい。その頃から毎日日記をつけるようになった。それは一日を完結させる行為でもあり、今日一日を生きたという証でもあり、また時には自分という人間の内部を掘り起こす、ある時は楽しく、ある時は辛い作業でもあった。自分の人生が何であったか、その渦中では全体像とか本当の意味がなかなかつかめないものだが、終った後、振り返ってみると見えてくること、分ることがある。一日も同じことではないだろうか。現在の先に未来がある。時間的には確かにそうだが、最近感じていることは、現在は垂直的に永遠につながっているのではないか、ということだ。今日を生きることは永遠の今を生きていること、であれば、まず今日を大切に、丁寧に、楽しく生きる。この感覚が自分の中に芽生えてきているのを感じる。やっと辿りついた境地なのかもしれない。