今行ってみたいところ

時々どうしようもなく旅行に出かけたくなる。自分には漂泊的性癖があるのかもしれない。「遠くに行きたい」中村八大・作曲 永六輔・作詞のように。しかし実際問題としては、そう簡単に旅行に出かけるわけにも行かないので、その代わりということでよく日本地図を見る。以前行ったところを思い出し、これから行ってみたいところに思いを馳せる。さて今行ってみたいところを考えてみた。頭に浮かんだのは、平戸、堺、大阪天王寺、大阪狭山市、桑名、小田原、というところだった。いずれも時代小説「欅風」に出てくる地名だ。この中で今迄行ったことがないのは平戸と桑名の2つで、その他は「欅風」を書くために一度訪問しているが、「欅風」を書き終わった報告も兼ねてもう一度行ってみたいところだ。平戸の情景を書く時に平戸の写真と地図を参考にしたが、自分自身、書いた内容通りに街中を歩いてみたい。桑名は地図だけを参考にして文章を書いた。そして今回「欅風」を書き終わった後で、小田原がこの時代小説にとって大きな意味を持っていることに気がついた。旅行とは自然の景色、町並みを見ることだけではなく、自分の中の心象風景を見ることでもある、と思わされている。