企業とNPOのコラボ

 

伝統のある大きなNPOの年次総会に参加した。会員総数約150名。例会が来年3月で150回を迎える。法人会員には名だたる企業が多い。理事長、副理事長始め理事の尽力も大きいのではないだろうか。総会には28名が出席(委任状72名)。総会の後、近くのホテルのカフェに設けた懇親会会場に移動。ビールを片手に挨拶したり、挨拶されたり、和気藹々のムードだ。その中で何人かの大手企業の部長クラスの人と話して感じたことは、企業がNPOの活動に強い関心を寄せている、ということだ。今や企業は狭い範囲での営利活動では社会的評価を得られないと感じ始めている。欧米流のマネー資本主義の限界がサブプライムローン、リーマンショックなどで明らかになった今日、日本の企業は日本的経営、つまり社会的公器としての企業のあり方に回帰しようとしているように思われる。江戸時代、商人は「稼ぎ」だけではなく「務め」も出来て初めて一人前と認められたと言う。務めは今の言葉で言えば、公共的な仕事だ。日本の企業風土の中にはこの種の伝統、DNAがある。NPOが企業の社会的活動の領域でカウンターパートナーとして活動するためには、それに相応しい特長と能力を持たなければならない。そのための人材をどのように確保し、高い水準の仕事をしてもらうか、NPOにとって大きな課題の一つであろう。企業が当該NPOを選ぶ場合の基準は何か、そして何が実際にNPOとしてできるのか、改めて考えていきたいと思わされたNPO総会だった。