企業とNPOの協働

 

ドラッカーの「非営利組織の経営」を現在読み直している。この本の第三刷が出た1993年頃に一度読んだがその後は本棚に置いたままになっていた。以前読んだビジネスモデルの本の中で営利と非営利の止揚的融合を第5世代のビジネスモデルと規定していたのを思い出したことと、もう一つ、私自身があるNPOの団体に関わっていて総会を間近に控え、もう一度NPOについて考えてみたいと思ったからだ。訳者あとがきではこのように述べられている。「コミュニティを失い、組織社会となりすぎた日本が、このような社会(コミュ二ティを核とした社会)に変革していくことができるのかどうか」ドラッカーはアメリカの市民社会を動かしている中心勢力は政府でも、企業でもなく・・・学校、病院、ボーイスカウト、ガールスカウトといったコミュ二ティ・サービス機関、つまり非営利機関であるという認識を持っていたとのことだ。それでは日本の市民社会を動かしている中心勢力は何だろうかという問いが直ちに跳ね返ってくる。今後第5世代のビジネスモデルの具体的展開と全体像の解明が今後の課題、との指摘がある。その意味でドラッカーの以下の言葉をNPO団体の立ち位置で確認しておきたい。「非営利機関は、人と社会の変革を目的としている。・・・非営利的機関に対する最終的な評価は、使命の表現の美しさによって行われるのではないからである。それは、行動の適切さによるからである」