伊勢商人 三井高利のビジネスモデル

 

今日仕事の後、家内から頼まれた用事があって、日本橋の三越本店に行った。買物を済ませて帰ろうとした時、「三井高利展」が開かれていたので、早速展示場の中に入った。展示場の中央に越後屋の看板が立てかけてあった。高さ約180cm、幅約50cmの一枚板の中央に、呉服物品々 両脇に現金 無掛値 下の方の右側に駿河町 左側に越後屋とある。高利は従来の大名などの得意先向け販売「屋敷売」をせず、町人・大衆向けの店頭バーゲンセールを実施した。ビジネスモデル的に言えば、顧客セグメントを大名から町人・大衆に切り換えた、ということだ。反物を切り売りすることも始めた。越後屋の新商法は大評判となり、繁盛して江戸の大店となった。なぜ高利は顧客セグメントを変えることができたのか、決断の根拠となったのは何だったのか。