作家エリザベス・ギルバートから教えられたこと
女性作家のエリザベス・ギルバートが、クリエイターがストレスの重圧の中で、精神の安定を保ちながら、創作活動を続けていくための秘訣を、「スーパープレゼンテーション」で語っていた。彼女の話を聞いていて参考になったことがある。以下2点だ。
1.アイデアは外から例えば「妖精」のようにやってくる。作品の出来、不出来は「妖精次第」と割り切る
2.「妖精」と対話しながら創作活動を進める
ものを書くというのは不思議な行為だと思う。書きはじめる前には頭に無かったことが、いわば無意識の世界から一つ一つ引き出されてくる。少し大袈裟に表現すれば、無意識の意識化、あるいは暗闇に沈んでいた記憶・体験との遭遇。いやそればかりでもなさそうだ。
暫くお休みをさせて頂いているが、時代小説「欅風」を書いているうちに思わされたことがある。それは私が頭の中でこねくり回したことを文字にしているのではなく、小説の登場人物と「話をしながら」書いている、ということだ。言葉を変えて言えば、登場人物が納得するようなストーリーを書かなければならない。私が休筆中、登場人物はそれぞれの人生を歩んでいる。その間、どんなことがあったのか、執筆を再開する時に聞いてみよう。エリザベス・ギルバートの対話をしながら創作活動をする、という姿勢に共感する。ビジネスの世界にも創作活動はある。新しい試みには大きな可能性と同時に失敗のリスクもある。しかし、私は次ぎのようなことを信じている。ビジネスの神様は大きな失敗をしないように、事前に小さな失敗を必ず与えてくださる。つまり小さな失敗は警告であり、予行演習であり、成功してほしいというビジネスの神様からの、愛のこもったプレゼントなのだ。そのサインをきちんと受け止めることが大事だ。ビジネスの神様と対話しながら、クリエイティヴな仕事に取り組んでいく。クリエイティブとはまさに対話、なのだ。