共同体崩壊の時代を生きる

現在は共同体崩壊の時代、裏返せば格差拡大の時代と言われている。一体どのようなことが起っているのだろうか。国家が滅びてもそれぞれの地域で共同体は生き続けてきた。共同体は相互扶助をその特徴としている。ここから先は私の仮説だが、現在のような社会保障制度の無い、例えば2000年位前の時代、男性に比べ社会的地位の低かった女性達は生きるために、お互いが助け合う共同体を作っていったのではないかと想像する。戦争に駆り出された夫が戦死してやもめになった女性は数知れずいたことだろう。収入の道を断たれ、明日どうなるか分からないというケースもあったはずだ。ある本で貧しい人々こそ助け合う精神を持っていて、自然とそれができるというような文を読んだことがある。1つのパンを分け合って食べる。それはただ食べ物ということに留まらないで、気持ちを分かち合い、支え合うということでもあったと思われる。2000年いやそれ以上続いてきた土地に根を下ろし、連綿と受け継がれてきた共同体が資本主義社会の競争原理、弱肉強食の野蛮な風潮の中で崩壊ししつあるように私には感じられる。

地域の共同体こそ絶滅危惧種でもある。私達はこの分野にも目を向ける必要があるだろう。