内なる声に導かれる人生

若い頃、哲学者の森有正に傾倒した。森は内なる声に耳を傾け、内なる声に促されて生きる人生を私に教えてくれた。今振り返ってみると、私なりに内なる声、更にいうならば魂の声に従おうとした私の人生は、中途半端な聞き方しか出来なかったため、あちらにぶつかり、こちらにぶつかりとジグザグの人生だったように思う。勿論自分の性格、能力も大いに影響している。失敗も挫折も多かった。とても世渡り上手とは言えない。しかし、それでも生きてきた。そして今思うことは、それらはすべてこれからの人生のための準備だったのだ、ということである。成功と失敗、幸福と不幸の二元論を超えて、人生の真実を経験するための前半生だった、と現在の私は考えている。これからの人生、本当の内なる声、魂の声に素直に従って生きて、仕事をしていきたいと思っている。

そのため一日最低15分間、自分を深く見つめ、内なる声に静かに心の耳を傾ける時間をもつことにしたい。