出口を見つけてからビジネスモデル構築

 

どこにどのようなニーズがあるのか、「現場、現物、現実」的意識と感覚で見つけていくことが、大事だ。これを確実にやっていくことがビジネスの成否を大きく左右する。ニーズの内容とニーズの持ち主(潜在顧客)が特定できれば、そのニーズをどのようにして満たすか、ビジネスの場合はビジネスとして成立つような仕組みを考える。思考方法として、帰納法と演繹法があるが、ビジネスはまず帰納法的に発想され、それがセオリー、モデル化され演繹的になっていく。セオリーとかモデル、理論側から発想するとどうしても型に嵌めようとすることになるのでうまく行かない。経営コンサルタントが実際の経営に乗り出して失敗するのは理由のないことではない。さて私達ビジネスに関わる者は自分が置かれている場で、物事を観察し、人々の会話に耳を傾け、それらが自分のビジネスにとって何を意味しているのかを理解し、考えなければならない。

ニーズの内容とニーズの持ち主(潜在顧客)が特定とは出口が見つかったということであり、つまり可能性の高い販売先を確保したということだ。最近聞いた話だが、淘汰されていく植物工場の中である会社は低カリウム野菜に特化して野菜を生産することにしたとのことだ。腎臓病の患者は高カリウム血症を起こし、心臓の機能に影響を及ぼす。そのまま生の野菜を食べるためには低カリウム野菜が必要だ。既に半導体加工の会津富士加工は秋田県立大学と協力して低カリウムのレタスの量産化に成功し、日産100袋を生産している。現在はマーケットも細分化、多様化している。私達の回りにも必ず出口があるはずだ。

それを見つけることが一番大事な仕事なのかもしれない。お金もビジネスモデルも後からついてくる、と言っても過言ではないだろう。