劇団四季のビジネスモデル

 

お盆で我家に帰省している娘夫婦が、劇団四季の「ライオンキング」を見に行った。感想

を聞いてみると「とても良かった」。家族や仲間、先祖、生命のつながりの大切さ(サーク

ル・オブ・ライフ)を伝える物語だそうだ。「お父さん、お母さんもみたらいいよ」という

ことで暫く劇団四季の話。娘によると、四季の団員は700名。テレビなどに出ずに生活

できるようになっている。「へ~、そうなんだ」ということ手渡されたパンフレットを見て

驚いた。とにかくプログラムが多い。団員はこのプログラムのいくつかを掛け持ちしてい

て、テレビの出る時間もなく、またその必要もないのだろう。またプログラムを見ると、「主

催四季、後援JR東日本とか、協賛第一三共製薬・・・とかあり、企業とタイアップしてい

る。劇の中では企業広告を流すことは難しいのではないか。とするとどうしているのだろ

うか。従来の劇団では有名な俳優は兎に角、そうでない人はアルバイトをしなければ食べ

ていけない。そうこうするうちに俳優の仕事を諦め、スナックのマスターに納まるケース

もあると聞いた。四季の団員になるのは恐らく簡単ではないだろうが、若手の俳優が演劇

に専念できる、というのは素晴らしい。そのため四季のプログラムには群集劇が多いのか

もしれない。演劇は現場で感動を与える独自の芸術形式だ。劇場で見るのとテレビで見る

のとでは臨場感が全く違う。以前は小劇場の公演に時々行っていた。最近はそういえば、

観劇とか映画を見る機会が少ない。自然という劇場の観客になっているのかもしれない。

自分の人生の中で自然との距離がこれほど近くなったのは初めてではないだろうか。観劇

はもう少し後の楽しみにとっておこう。