半沢直樹最終回を見て

 

半沢直樹の最終回を見て、中野渡頭取のバランス感覚と苦渋が伝わってきた。半沢には納得できない辞令だろうが、続編への期待を抱かせるエンドだった。それはさておき、「心に残るいいシーン」が2つある。一つは剣道場での近藤への半沢の語りかけだ。「裏切られた気がしない」という言葉は心に留めておきたい。もう一つは半沢が大和田に土下座を迫るシーンだ。土下座するのは私に対してではなく、大和田が今迄踏みにじってきた全ての人に対して土下座を求める半沢の絶叫「やれー、大和田」は胸にズシンと来た。ドラマ「半沢直樹」の成功は脚本と登場人物にある。剣道場での会話も、取締役会で大和田に土下座を要求するシーンも原作にはない。これだけメリハリが利き、半沢が大和田を追い詰める迫力は脚本が生み出したものだろう。なお脚本には半沢を演じている堺雅人の提案も反映されたと仄聞している。堺雅人の演技にも驚いた。涙を流しながら大和田の迫るシーンでは堺雅人が演じながら実際に涙を流していた、そこまで感情移入していたと思わせるものだった。いつか「半沢直樹」が出向から帰ってきた続編を見てみたい、そう思うのはわたしだけではないだろう。その時の半沢直樹のモチベーションはどのようになっているだろうか。半分は想像がつくが、後の半分は分からない。