半製品、DIYの時代

これからの時代、消費者はどのように変っていくだろうか。私の仮説は、消費者が受身のままでいることに飽きて、生産者側に近づき、一部の生産を担うようになる、というものだ。ここ数年で普及したソーシアルテクノロジーがそれを可能にした。今迄も消費者がメーカーにいろいろな要望を出すということはあったが、それらは個々の消費者の意見とみなされて結局は商品開発にとって参考程度の扱い方をされてきたのではないか。ところがソーシャルテクノロジーの発達によりプラットフォームが作られ、そこに消費者の意見、提案が集積されるようになった。消費者は意見、提案のために電話を掛けたり、手紙が書いたりする手間をかけなくてよくなった。そしてその手続きは瞬時に出来る。メーカーは消費者を誘導するということが難しくなった。その意味で今ほど消費者がパワーを持った時代はないのではないか。また消費者は自分の目的に合わせてカスタマイズすることができる「半製品」を求め始めてもいる。完成品ではなく、カスタマイズが可能な「半製品」だ。勿論カスタマイズするためのモデル、デザインテンプレートのようなものはメーカーが提供する。消費者はその中から自分が気にいったものを選び、自分だけのものを作る。

現在の消費社会の特徴は一般的なニーズというものはほぼ満たされているため、生産者側はウオンツに焦点を絞り、「半製品」の完成プロセス、カスタマイズに消費者が参加できるようにすることが求められている。恐らくこれからの顧客満足はそのような地点にシフトしていくのではないか。弊社の屋上緑化、菜園ガーデンも以上のような仮説の下に現在「半製品」化とカスタマイズ化に取り組んでいる。