哲学者 内山節の世界

内山節氏の著作は以前「共同体の基礎理論」を読んで多くの啓発を受けた。私自身、内山氏の理論、思想に対してはどこか親和性を感じる。それがどこからくるのかは分からないが、今日標題の本を読みながらその理由として2つのことを感じた。

1.第5章講演「豊かな社会とローカリズム」の中で、暮らし方を考えるということと他者と自然と結び合う地域社会を取り上げている。このような問題意識の正当性は実際に農業体験をしている者ならば直ぐに分かることだと思う。

2.内山氏は世間的な常識・意味の転換を教えてくれる。そしてどんな状況の中でも希望の光を見つけ出す視点を持っている。休耕地も高齢者の宝物と言う。

今回の安倍内閣の改造では地方創生が大きな目玉になっている。石破大臣は日本を創り直すために各省庁からエリートを集めて地方創生を実現すると言っていた。地方がどうあるべきか、それを決めるのはその地方に住んでいる人達で、また彼らを支える都市の人々ではないか。本当に地方創生をするにはどうしたら良いか、恐らくこれは全国民的課題でもある。