商品のためのドラマづくり・遊山箱
現場でニーズを掴む、というのはビジネス活動にとっては基本中の基本と思うが、それがいつの間にか疎かになり、自分の思い付きや机上の論理でビジネスの新企画をひねり出したりすることがある。いろいろ新しいことを考えることは楽しいことなのだが、それが実際にビジネスとなり、お客様に新しい価値を提供し、当方にとっても利益が実際に出るかどうかは別問題だ。私は<モノ>を売るよりも<コト>を売ることにこだわりを感じている。モノだけでは直ぐにコモディティー化してしまい、価格競争になだれ込んでいってしまうと思っているからだ。コトを売るとは価値を売ることでもある。現在徳島県の「遊山箱」のビジネスモデルを考えている。遊山箱は一言で言えば、子供達に持たせる三段重ねの弁当箱だ。遊山箱についてはNHKのEテレで知った。とてもお洒落な弁当箱なので、子供用だけではなく大人向けに、さらには業務用に使えないかと考えている。目的は例えばカフェとかレストランの場合は差別化と集客だ。ある程度机上の論理を組み立てたら、実際のカフェとレストランに<コト>の形で提案したい。マーケティングの中で新しい要素を結びつけるというケースも出てくることだろう。伝統的な商品に新しいセンスを加えて復活させ、新しい顧客を獲得する。考えてみると、マーケティングとはドラマづくりかもしれない。俳優、脚本、演出、プロデュース。俳優は商品。脚本はその商品固有のシナリオとストーリー。演出はその商品がもっとも輝くシーン設定、そしてプロデュースは顧客セグメントとチャネルづくり。「食べる」ということの基本に戻って遊山箱のためのビジネスモデルづくりを進めていきたい。