地域の回復力 コミュ二ティと農園のビジネスモデル

 

1月9日の朝日新聞に参考になりそうな記事が載っていると、私の友人から連絡があり、早速FAXで記事を送って頂いた。記事のタイトルは「脱成長の欧州 畑で耕す 地域の復元力」とある。とても興味深い記事だった。まずイギリスの町トットネスのトランジション・タウン運動。提唱者のロブ・ホプキンスさんの「成長をひたすら求めるのは20世紀の発想。いま必要なのは、地域単位で危機に備える『レジリエンス』(復元力)を養うことです」ということで、エネルギー消費を減らす活動に地域住民が取り組んでいる。さてフランスではパリ郊外に農業と都市を組み合わせて『アグロシテ』と呼ばれる農園が登場し、今後都市の空き地を農園として利用する『リュルバン』計画が進められているとのこと。トランジション運動は日本でも現在展開されており、地名のついたトランジションが増えているようだ。以上の記事から私が注目したいのは①脱成長②危機に耐える準備③都市農業、の3つだ。まず①脱成長。トランジション運動は低エネルギー社会の実現を目指し、エネルギー消費削減行動計画(EDAP)を地元で実施するように勧める。確かに低エネルギー社会は脱あるいはポスト成長のあり方の一つと思われるが、それが全てではないだろう。自然エネルギーの積極的な活用とか成長の後の成熟社会・文化のあり方についても目を向けていくべきではないか。②の危機に耐える準備は、まずは市民としてできるところから手をつける、ということになるだろうが、やはり大事なことは危機意識だ。日本人はどうも危機意識が希薄と思わざるを得ない。③都市農業では都市における農地、農業の位置づけ、つまり都市にとって欠かせない必要不可欠の要素という認識が都市住民に根付き、広がっていくかどうか。大いに期待したい分野だが、それだけ問題も多い。全体としての思いは私達日本人がこれから参考にしたい欧州では成長経済・社会から次の社会に移行しつつあるということだ。