地方再生のカギ

日本経済新聞1月27日の朝刊の経済教室で関西学院大学教授の林 宜嗣氏が「地方再生、真の公民連携を」と題して3つのポイントを挙げている。

1.1人当り県内生産低いほど政府の比重大

2.地方再生には内発的発展への道を探る必要

3.公共部門の介入を減らし市場機能の活用を

私が注目したのはまず2の内発的発展だ。林氏は地域の構成員が積極的に発展プロセスにかかわることにより、地域ニーズを充足させることが重要だと指摘する。従来外部の専門家が主役になってコンサル業務などをしたことへの反省だろう。地方再生のためには、地域のニーズを充足させるだけで良いのだろうか。私はウオンツの要素も必要ではないかと思う。ウオンツは地域にも都市にもある。そのためのマーケティングが重要ではないだろうか。地域再生のためにはお金の流れが大きな役割を果たす。一言で言えば、お金を外に出さない、さらにお金を外から持ってくる。そうすれば自ずから人も集まってくる。もう一つは「地域経済を集計したものが国の経済であるという発想に転換するときが来ている」との指摘についてだ。これはまさに江戸時代的な発想に戻るということでもある。中央集権から地方分権へ。明治維新以来の富国強兵、富国巨大産業化政策を転換する時代に来ている。地域資源の見直しと総量を拡大することが急務と言えないだろうか。そして都市で活動しているそれぞれの分野の専門家が地域に住み、仕事をしている若者とコラボする様子を思い描きたい。