地理と理科が大事

先日のNHKクローズアップ現代で3D地図が取り上げられていた。米国では子供達が3D地図を楽しんでいる。また3D地図を活用したビジネスも生まれている。例として太陽光発電。建物も映しだされる3D地図を使い、独自に開発したソフトで、収支予想迄できる。これで受注を飛躍的に伸ばしているとのことだった。日本の大学の先生が「時間軸は歴史であり、空間軸は地理ということになる。教育には両方が必要だ」と指摘していた。その意味では日本は遅れている。ということで私も早速国土地理院の3D地図をインターネットで検索し、見てみた。やはり立体化されるというのは面白い。

この話に触発されて思うのは理科のことだ。私の手元に昭和16年文部省著作・発行の[復刊]「自然の観察」(教師用)農文協発行、という本がある。この本は当時の国民学校(現在の小学校)低学年理科の教科書として作成されたものだが、正に奇跡のような本である。

「理数科指導の精神」の中にこうある。

「既成の学問を前提とした知識・技能を教えこもうとする態度を避け、ものごとを正確に考察・処理させ、真実の姿をかん養するに努め、観念・知識・知能・技能は、その過程においておのずから獲得されるように心がけること」

この本は500ページを越す大著であるが、読んでいて楽しくなる。復刊は時期に適ったものと思う。

社会についても学びも大事だが、その社会の性格を決める土台の役割を担う「日本の自然」について子供達が幼いうちから主体的に自然に関ることの大切さをこの本は教えてくれる。

歴史と社会だけでなく地理と自然についても目を向け、学ぶ時代になっている。