夕昏の商店街を歩きながら

仕事が早く終ったので、帰り道の途中駅で降りた。恐らく10年前、この駅に続く商店街を歩いたことがある。確かその時は今は全国的に展開しているモスバーガーの第一号店がある、というのでそれ目的でこの駅で降りた。坂道の途中にある小さな店だった。久しぶりに商店街を歩く。びっくりしたのは道の左右に並ぶ店の殆どが食べ物屋だ。ラーメン、カレー、焼肉などの店、バーガーや牛丼などファーストフードのチェーン店、その中に大手薬局チェーンの店が1店、エステが2店あった。商店街につきものの八百屋、魚屋、惣菜屋、洋品店などが見当たらない。商店街の半ばぐらいのところにスーパーのダイエーがあるのでそちらに客が行ってしまうのだろう。

商店街の中にスーパーがあると商店街自体のあり方も変ってしまうのだろう。たまに行く十条銀座とか、大山商店街はスーパーがないためか、昔の商店街の雰囲気を漂わせている。

傘を差しながら商店街の裏道を歩いていると、右側に細い露地があり、その両側に小さな飲み屋がぎっしり並んでいる。飲み屋横丁だ。

これから昔からの商店街はどうなっていくのだろうか。誰かが商店街は地域コミュニティでもあり、守っていかなければならないものだ、と言っていたが、どのように守って行ったら良いのか。そんな思いを胸にしながら夕昏迫る商店街を後にして、電車に乗った。