大から小へのビジネスモデル転換

 

4月の日本型ビジネスモデル事例研究では大から中、中から小へのビジネスモデル転換について事例を研究する。世の中の一般的見方は小から中、中から大への成長が成功だ。しかし、成長経済から成熟社会にパラダイム転換している時、逆のコースもまた「有り」ではないだろうか。事例を3つ挙げたい。一つ目。東京神田にあるA建設会社はかつて成長を目指して全国展開を図ったことがある。その結果いわば戦線が拡大して疲弊した。当時の社長は思い切った方針転換をして会社を立て直した。面から小さな面に縮小して、その点とも言えそうな面を深堀りした。二つ目。ある旅館は企業組織にして規模の拡大を狙ったが、お客様へのサービスが低下、元の家族経営に戻した。三つ目。ある寿司屋はお店を大きくした結果、仕入れた材料の廃棄量が増え、採算が悪化。経営者はカウンターにたった3人しか座れない小さな店に転換し、お客さんと話しながら寿司を握っている。採算は以前の店と変らないとのことだ。成長経済から成熟経済へ日本は転換した。大をひたすら追い求める時代ではないのだろう。大事なことはお客様との関係を深めることだ。