屋上スペースのリビング化

屋上の活用が注目されている。木造の家の屋上をリビング化して活用しているケースも増えてきている。また事務所ビルでは屋上をミーティングスペースとして使い始めているところが、まだ事例はそれほど多くはないが、出てきている。私が関係している屋上菜園でも、そのような傾向が出てきている。千駄ヶ谷のN社はショールームの周りのテラスにソファとテーブルを置いて、やってきたバイヤーの方々がそこで憩えるようにしている。菜園と芝生を見ながら、商談もできる。小田原のFさんのところは3階建ての自宅屋上で、こちらも芝生の上でバーベキューをしたり、菜園で野菜づくりをしたりして楽しんでいる。新大阪の事務所・住宅兼用ビルの屋上には菜園と芝生の中にミーティング用テーブルと椅子が置いてある。仕事の打ち合わせのために使われたり、夜は夕食をそこに持ってきて食べる夫婦もいる。この新大阪の場合は近くに伊丹空港があり、着陸コースに入っているので飛行機のランプが尾を引き、またビルの夜景も美しく、ムード満点だ。

屋上は快適な場所になる。そのためには屋上用のエクステリアの開発も大事だが、忘れてならないのは風対策だ。通常屋上の場合、土の荷重条件、排水、植物の維持管理が重要な問題になるが、植物と人間がそこで快適に過ごすための風対策も同じように重要な問題である、と私は考えている。風で飛ばされたり、あるいは落下するような事態は絶対に避けなければならない。そのような安全対策を講じたエクステリアなどの開発、ということになる。あるいは屋上スペースの安全性を高める構造的対策ということにもなっていくだろう。台風、突風に対処するリスクマネジメントを忘れてはならない、と思う。