屋上菜園・緑化と太陽光発電

 

最近ブームなのだろう、屋上に太陽光パネルを設置して発電を行なうケースが増えてきた。

今迄は屋上の活用と言うと都市の環境対策、義務緑化もあり、緑化・菜園がメインだった

が、最近は太陽光パネルを設置する事例も増えてきた。買取価格も高く、補助金も出る。

現在の電力事情を考えると太陽光発電に関心が行くのは当然だろう。今や屋上という「市

場」では緑化・菜園と太陽光発電のシェア争いが展開されている、と言っても過言ではな

いだろう。とは言っても太陽光発電にも一定の規模のメリットというものがあるはずだ。

現時点では大雑把なことしか言えないが、太陽光発電は大規模な面積、中規模な面積を主

な市場にする、一方屋上菜園・緑化は主に中規模面積、小規模面積を対象にするというこ

とになるのではないか。太陽光発電は電気を生み出し、屋上菜園・緑化は屋上を冷やすこ

とで室内の、特に夏場のエアコン使用を少なくし、電力を節約する。私は屋上菜園・緑化

については、三位一体的なメリットづくりが必要ではないかとつねづね考えている。また

話してきた。どういうことか。それは屋上菜園・緑化を物理系、社会系、人間系の3つの

面から考えるということである。一言で説明すれば物理系とは都市の冷却機能、社会系と

は自然・農を核とした都市型コミュニティ形成機能、人間系とは高度情報化社会での人間

性回復機能。今後、屋上菜園・緑化が太陽光発電と凌ぎを削りながら、さらに普及してい

くためには、それぞれの系の定量的、定性的データの収集・集積・分析が欠かせないが、

と同時に屋上菜園・緑化の経済的効果の説得力のある「経済効果モデル」が必要ではない

かと思わされている。それをビジネスモデル的に言えば、屋上菜園・ガーデンの差別化要

素だ。現在2つの案件でビジネスモデルのデザインを手がけている。一つは実施中で、も

う一つは目下デザイン中だ。1つ目のビジネスモデルのPDCAサイクルが一回りしたら、

事例として経済効果を定式化してみたいと考えている。