屋上貸出菜園と屋上イベント・コミュニティ菜園のビジネスモデル

屋上の菜園を区画分けして、貸出して一定料金を利用者から頂く貸出菜園が都内で増えたがその後、どのような状況になっているのだろうか。2年程前、都内の有名な貸出菜園を訪問したが、契約更新率の伸び悩み、特に個人区画の定期的な栽培活動が十分されていない、などの問題点があるようだった。野菜栽培の基本、特にそれも有機的栽培を目指すなら毎日、それが無理ならせめて週3~4回くらいにペースで菜園に来て、病虫害対策も含めて作業をすることが必要だ。しかし、自分の家の屋上とかベランダのように毎日でもできるところではなく、電車に乗って、あるいは車で通うというのは実際問題として簡単なことではない。自分の家の屋上とかベランダなら、「今日はどうかな」と楽しみながら野菜の手入れができるが、出かけるとなると多くの場合「行かなければいけない」という義務感で行くようになり、最初は楽しみだったのが、苦痛になることもあるのではないか。勿論楽しみで毎日のような通う利用者もいることだろうから一概には言えないが、貸出菜園のビジネスモデルを一度見直す時期に来ているのではないだろうか。一方屋上イベント・コミュニティ菜園の場合は、区画を賃貸で貸出して収入を得るという訳にはいかないので独自のビジネスモデルをデザインして、収入の可能性を広げることとなる。その場合ポイントになるのは「場」としての付加価値づくりだ。「場」としての魅力を高め、それと共にさまざまな利用の可能性を企画化していく。それが現在求められているように思われる。