感情労働とビジネスモデル

ある大学の先生と電話で話をしていた時、感情労働という分野があることを教えられた。初めてきく言葉だった。電話の後、ネットで調べてみると、「感情労働とは、肉体や頭脳でなく「感情の抑制や鈍麻、緊張、忍耐などが絶対的に必要である労働を意味する」(ウイキペディア)。感情労働とは負担、重圧、ストレスを負わなければならないというところに特徴があるとのことで、具体的にはクレーム対応などは感情労働に該当するだろう。頭脳労働の中でも知的な労働は一定の成果品を作成すれば、一旦は労働として完結する。また肉体労働も一定の作業内容をやり遂げれば完結する。しかし感情労働は相手の感情と相互関係にあるので、簡単には完結しにくいという継続性、簡単に言えばなかなか終らないという問題があるのではないか。この種の職業としては看護師、介護職、コールセンターのヘルプ職、企業の広報・苦情処理、それに加えてサービス業全般の職種が該当する。ネットの説明では感情労働は負担の多い、厳しい労働という面が強調されているように感じる。現在はあらゆる職種がサービス業化していると言っても過言ではないだろう。ということは殆どの職業人が日々このような感情労働の負担の中で仕事をしていると思われる。うつ病が増えるのも無理からぬことかもしれない。そして企業の営業職は知的労働、肉体的労働に加え感情労働という3種の労働を一人で担っているような気がする。やはり大変な職種なのだ。また販売の現場に行くと笑顔でお客様に接するようスタッフは指導されている。

これは感情労働の中でも「笑顔労働」ということになるだろう。複雑な時代に私たちは生きている。ビジネスモデルの中に共感分析という領域がある。共感も感情労働の一部なのだろうか。