拡散思考から収斂思考へ

新しいアイデアを出すためには非常識なこと、馬鹿馬鹿しいと思われることまで範囲を拡げることが大事だ。例えばスリムドカンで有名な高額所得者、斉藤一人氏は靴と下駄が一緒になった履物を考えた。馬鹿馬鹿しいアイデアかもしれない。斉藤氏は言う。現実にそれをつくる必要はない。しかし、そこまで考えないと、新しいアイデアは出てこない。別の言い方をすれば、100歩前進、50歩後退、つまり50歩前進したところに現実的なアイデアがある、ということではないか。拡散思考をしなければ、せいぜい30歩迄しかいくことができない。この20歩の差が重要ということになる。この拡散思考はデザイン思考の特徴でもある。「ビジネスモデルジェネレーション」でも、ティム・ブラウンの「デザイン思考が世界を変える―イノベーションを導く新しい考え方」でも拡散思考の重要性が指摘されている。ある意味では拡散思考をすることは楽しい。夢の世界の遊ぶ感覚もある。しかし、アイデアをビジネス化していくためには、沢山出てきたアイデアの中から、これはと思うものを選び、絞り込んでいかなければならない。拡散から収斂への転換である。それを促すものはタイムリミット、締め切りということになる。さてここで問題になるのは何を基準に選択するか、ということである。選択のプロセス、選択したものが本当の選択すべきものかどうかの検証の仕組みはどのようになるだろうか。次回のブログではこのことについての私見を述べてみたい。