敗れざる者の生き方

 

私たちはビジネスで成功することを人生の成功と思っているところがある。本当にそうだろうか。ビジネスで成功しても人生で失敗している人がいるのではないか。逆にビジネスで失敗しても人生で成功しているのではないか。この問題を取り上げる場合、私は次ぎのような前提を置きたいと思う。つまり、人生という土台の上に、ビジネスがある。あるいは人生の幅の方がビジネスの幅よりも大きい、という前提だ。ただここで重要な問題はビジネスが自分の生活を支えているということだ。さらには自分達の家族の生活を。従いまずは日々の生活に不自由を来たさない程度には稼がなければならない。私たちは贅沢とかの前に生活を支えるためにビジネスをしている。ビジネスがうまくいかなければ生活にも事欠く。私は会社を自主廃業した後、自分達の生活の最低必要経費(生活抵抗線)を少しでも下げるために、野菜の自給自足を目指した。紹介して下さる方が居て、茨城県の八千代町に1反の畑を借りて野菜栽培をした。毎週土曜日志木の自宅から自動車で江戸川、利根川を越えて八千代町に向った。自主廃業の後、1年間は一種の虚脱状態になり、仕事が手につかなかった。ある会社の顧問になっていくばくかの収入を得たが、自分が本当にやりたいビジネスが何か分からず、あれやこれやのビジネスに手を出したが、結局「これは」という仕事は見つからなかった。精神的にも、ビジネス面でも「漂流状態」だった。そんな時、屋上菜園の仕事に、また日本型ビジネスモデルのデザインの仕事に、浜に打ち上げられるように流れついた。小さな島だった。いずれもまだ利益の十分にあがるビジネスにはなっていないが、自分が本当にやりたい仕事だ。来年は今迄の努力が稔る年にしたいと思っている。納得のいくビジネス、納得のいく人生、それが私の来年の目標だ。勝たなくていい、しかし敗れてはならない。それが私の今のモットーとなっている。