新自由主義と都市住民の親和性

 

現在の政治状況を見ると野党の伸び悩み、凋落は目を覆うばかりで、自民党と公明党の圧倒的な議会支配、政治支配がここ暫くは続きそうだ。都市住民である私たちとしては悩ましい状況と言わざるを得ない。自民党から民主党への政権交代は今となってみると何だったのか。徒に日本の政治の停滞と国際的な威信の低下を招いたと思わざるを得ない。さて自民党は現在の高い支持率を背景に憲法改正も含め、戦後の総決算的な動きを示しているが、参議院で圧倒的な過半数を占めることになったら、この独走は止められないということになる。そこで問題は自民党の中の動きだ。自民党は保守主義派と新自由主義(リベラル派)派で構成されていると聞く。安倍さんは保守主義派、大平元首相の流れを汲むグループはリベラル派と言われている。大平元首相は田園都市構想に見られるように地域を大切にした政治家だ。そしてこうも言っている。「政治が甘い幻想を国民にまき散らすことはつつしまなくてはならない」政権をとる前の民主党は甘い幻想を撒き散らし、私たち国民は半信半疑ながらこの幻想を結局受け入れてしまった。今回の安倍政権で国民に問われていることは何だろうか。やはり国民の政治的成熟だろう。政治はワイドショーで片付けられる問題ではない。政治家の資質を上げるのは国民の責任なのだ。政治思想ーそこから出てくる政策の中身ー政策の実効性ー政策の実施状況ー政策の検証・評価ー政策の批判的改善。私たちは政治から目を離してはならない時代に生きている。