日本にとって農業とは「小さな農業」

 

今日NHKのEテレで午後2時から3時迄TVシンポジウムがあった。とても興味深い内容だった。各パネリストの発言からそれぞれ教えられることが多かったが、特に印象的だったのは映像で紹介されたドイツのミュンヘン近くの山間部の小さい農業の成功例と愛知県豊田市足助の都会の若者が農業、林業に就く取り組みだった。ドイツの山間部の村長は都市住民にとって村が価値を持つにはどうしたら良いか、という視点で村の明日を考えている。足助では村の空家を登録して都市の若者に貸している。戦後60年以上経ち、今迄の都市への人口集中の潮目が変り、これから農村地帯に若者も含め、人の流れが出てきそうだ。農村も価値を高めるために、単に食糧生産だけではなく、複合的な経営を求められる。生産(一次)x 加工(二次)x 販売(三次)による6次産業化だけではなく、都市住民のグリーンステイ更には観光も複合経営の中に加わっていくのではないだろうか。農村が食糧からエネルギー(例えばバイオマス暖房、小水力発電)を自給自足し、都市住民を受け入れる体制をつくれば、持続可能な農村が次々と生まれていくのではないかと思う。小さな農業は、循環型農業でもある。

小さな農業をつなげてネットワークをつくり、ネットワークで地域の魅力、就業機会を高めていくことができれば、日本の農業の新しい国際的モデルができるのではないか。何がティピング・ポイントなのか、何が弁証法的転換をもたらすのか、ワクワクする時代が来た。