日本の農業を巡って・カフェでの熱いブレスト

 

今日の夕方、IT関係の会社の社長K氏と農業関係の専門家であるW氏と品川のカフェで会い、話し合った。IT企業の社長とは定期的に会って情報交換、意見交換をしているが、W氏とは5年ぶりだ。最初のテーマは有機農業と自然農法について。W氏は自然農法に近い立場に立っている。つまり野菜を育てるのは人間が施肥する肥料ではなく、微生物が野菜を育てる、という考えだ。有機農業には何々農法とか個人の名前のついた農法など宗教的色彩を帯びたものもあり、胡散臭さが漂うとW氏は指摘する。私の立場は伝承農法に最近の科学的知見を加える有機栽培だ。次のテーマは農産物の生産と流通に対する利権的構造についてだった。農水省は産地・生産量指導を行い、農協も商社も流通に介在して利ザヤを稼ぐ。この利権的構造は国内外の政治が絡んでおり、不合理的な面が多々ある。3番目のテーマは地産地消システムを構築し、ネットワークしていくことによって既存の生産、流通体制の一角を崩すことができるのではないか、ということだった。地産地消システムの構築のためには地域の優れた経験豊富な農業者の協力が欠かせない。またその農業者の高度な経験知をどのようにしてその地域の農業後継者に継承していくか、このあたりを巡って3人でブレストを行なった。リアルな世界での具体策とITの世界での具体策についてそれぞれ浮かび上がってきたものがある。ということで今後ともミーティングを持つこととした。一つ嬉しかったことは、W氏と大平元首相の「田園都市国家構想」を巡って、それぞれの想いを伝え合うことができたことだ。私も最近大平元首相の国家構想を知ったのだが、私自身の今の仕事の源流を見つけたような思いがしている。