日本は価値観の転換の時期を迎えている

最近東京新聞夕刊で中村桂子氏の「21世紀の新しい方向 価値観の転換を図る時」を読んだ。中村氏は従来の価値観、つまり「成長、大型化、集中化」を21世紀に向けて「成熟、適正化、分散化、多様化に向う落ち着いた社会をつくることが求められている」「脱原発の方向を求めるなら、社会を多様化、分散化へと動かさなければ実現は難しい。自然エネルギーは、分散型で使ってこそ意味がある。地産地消であり、それには人間の分散が必要だ」

以上だが、ここで私は「人の分散」という言葉に目がとまった。戦後日本は地方より都市に人口が流入した。東京を初めとして大都市は都市で働く多くの労働者を地方、農村より吸い上げた。集団就職などはまさにその一例だ。そして都市部の農地は蚕食されて住宅に変っていった。先日発表された長期人口予測によれは日本の全人口8000万人へと大きく減少し、都市への人口集中が進み、地方、農村は人口の希薄化するとのことだ。都市部の人口8000万人の中で高齢者が占める割合は1/3から1/2ぐらいになるのだろうか。一言で表現すれば「老人都市国家」。しかし、都市は食糧、エネルギー面など地方によって支えられていることを想起すべきだろう。食糧供給、エネルギー供給の地方での担い手はどのようになるのだろうか。あるいは食糧は輸入に依存すれば良いとでも言うのだろうか。現在でも日本のプライマリーバランスは赤字化している。

人が地方に住み、定着するためにはやはり「仕事」が必要だ。多様な就業機会がなければならない。

仕事の内容について私見を述べたい。

1.その仕事は地域の資源を活用するものであること

2.それにデザインも含め、知的資源を付加価値として開発するものであること

3.国内のニーズ、お客だけでなく海外のお客、インバウンドの観光客も含めてグローバルであること