日本型ビジネスモデルセミナーとプロトタイピング

 

今回のセミナーのテーマは2つ。一つはビジネスモデルをつくる上で必要なプロトタイピング。もう一つは大から小へのビジネスモデル転換の事例2つの分析だった。まず前者のプロトタイピング。私なりに「ビジネスモデルジェネレーション」をベースに準備して皆さんに説明したが、十分に説明しきれたかどうか、ややこころもとない。今までビジネスモデル関係の本が多数出版されているが、恐らくプロトタイピングを取り上げているのは、「ビジネスモデルジェネレーション」が初めてではないだろうか。プロトタイピングは概念的には良く分かる。私達の仕事でも「叩き台」ということばをよく使う。またプランは1つだけではなく、最低3案は考え、準備し、これらを叩き台にするというのは通常行なっていることだ。「ビジネスモデルジェネレーション」のプロトタイピングはビジネスモデルキャンバスがあってこそ可能なものになったのではないか。本の中で「出版における8つのビジネスモデルプロトタイプ」が紹介されている。ここで私達がプロトタイプをつくる上での実際的なプロセスを洗い出してみたい。

1.独特の要素を持ったプロトタイプの原型を生み出す

→この場合、それがプロトタイプになる(なりうる)と何を持って判断するか

2.生み出したプロトタイプはまずシンプルな内容で「ビジネスモデルキャンバス」に

落としこむ。これは「ナプキンのスケッチ」

→例えば8つの「ナプキンのスケッチ」は検討するなかで絞り込んでいくのか。

その場合、大よそいくつくらいまでに絞りこむのか。3つか。

3.プロトタイプは「ナプキンのスケッチ」から「詳細なキャンパス」、「ビジネスケース」

「フィールドテスト」とスケールアップしていく

→この場合、絞りこまれた「ナプキンのスケッチ」全部に対してこのスケールアップ

をしていくのか。これは膨大な作業になる。

そしてもう一つ大事なことは、ビジネスモデルのキャンバスが、「思考を促進する構造を提供している」とのことだが、どのようにして促進するのか、この辺りの方法が必ずしも明確に説明されていない。プロトタイプのスケールアップは恐らく想像を超えた大変な作業になると思われる。チームを組んでやる仕事だ。プロトタイピングの目的は「洗練させるアイデアを選ぶ前に、ラフなアイデアを検討し、短時間のうちに破棄し、さまざまな可能性を試してみる時間を持つことにある」とこの本の中では説明されている。プロトタイピングはビジネスモデルをつくる上で欠かすことの出来ない作業であることは良く理解できる。これから実際につくるビジネスモデルでこのプロトタイピングを実際にやってみて、もう一度自分なりに整理してみたいと思う。なぜなら私自身、このプロトタイピングの真髄に迄まだ届いていない、と思うからだ。