暮しの中の自然エネルギー
かつての日本の住宅は木と草と紙から出来ていると言われた。四季の気候に調和して生きていく日本の風土、生活習慣に合った建て方なのだろう。茅葺屋根は夏の暑さを室内まで伝えない冷却効果を持っていただろうし、冬は薪を炊いて暖を取った。昔の木の家はどこか隙間があり、外の風が室内に入ってきた。昔の家はその意味では自然エネルギーを活用していたと言えるだろう。以前はそのような建物が主流だったのだろうが、戦後は新建材で建てられる住宅も多く、事情は大分変っている。現在のハウスメーカーのMを見ていると「快適性」が謳われている。機密性と熱効率の良さがメリットだそうだ。最新鋭のエアコンが活躍している。自然エネルギーが電力に変ってきている。電力は石油、石炭、天然ガス、原子力などの化石、鉱物から産み出される。これらのものには全部コストがかかる。消費して残りの資源が少なくなってくれば価格は高騰していくだろう。20年、50年の短期的スパンではなんとかなるかもしれないが、100年、200年、500年となるとどうだろうか。また現在の地球経済も人口は増えこそすれ減る気配はない。その意味ではコストがほぼかからない持続可能なエネルギーのシフトすることを考える時ではないか。また私たちのライフスタイルも変えていくことが求められる。あまりに快適さを求めることは人間としての身体能力を弱めることにならないだろうか。温故知新。自然と共に、自然のエネルギーを現在の私たちの暮しに取り戻す思いと新しい工夫を大切にしたい。