朝寝、朝酒、朝湯

小原正助さんは朝寝、朝酒、朝湯が大好きだ。私もそれに倣うわけではないが、朝コーヒー、朝湯が大好きだ。この冬の時期は毎朝朝湯に入っている。熱い湯の中で夢を洗い流し、身体を温めているうちにいろいろな想念が頭の中に浮かんでくる。その中には面白そうだというアイデアもある。ぼんやり湯に漬かり30分。風呂から出てコーヒーを淹れる。デスクでコーヒーを飲みながらまず昨日の日記を書く。以前は一日の終りに書いていたが、夜は疲れていることもあり、やや書きなぐる感じになっていた。以前はそれでも良かったが最近では日記を書く目的が変わってきている。まずボケ防止。昨日何があったのか、何をしたのか、正確に思い出す訓練の時だ。そして昨日の出来事について相手のこと、自分のことを考える。これは物事を深く考える時でもある。例えば自分はこう言ったが相手はどう思っただろうか、など。そして自分の言動を客観的に振り返る時でもある。そしてそれをどのようにして次につなげていくかを考える。例えば、次回会った時はこのように言おう、あるいは聞こうとか。

齢をとってくると字を読むのがシンドクなる。今迄いろいろな本を乱読してきたが、内容は殆ど覚えていない。それでは悲しいので知識として自分の意識の底に沈殿していると思いたい。これからはインプットも引き続き大事だが、もっと大事なのはアウトプットだ。勿論受け売りではなく、自分の中でオリジナル化したものだ。ウイスキーではないが、知識が人生経験と結びつく熟成という面もあるだろう。想起することが増えてきた。

日記を書くことはウイスキーの樽から毎日熟成の度合いを見るために栓を外して香りを嗅ぐ行為なのかもしれない。