東京の再開発に思う
今日三菱地所が東京駅近辺で日本一高いビルを建てることを発表した。現在日本ビルがあるところだ。一方名門ホテルのホテルオークラが建て替えのため本館の営業を、今日を持って終了した。東京都内のビルが新陳代謝の時期を迎えていると同時に、一等地の高度利用も求められているのだろう。高度利用と言えば、超高層の建物の建設計画が山の手線周辺に集中しているが、疑問というか不安を感じざるを得ない。
三菱地所は日本一高いビルを東京のランドマークにしたいと言っているが、超高層イコールランドマーク、という時代はもう終ったのではないか。例えば横浜のランドマークタワーはランドマークとしての存在価値を発揮しているだろうか。
二番目は国際都市として現在の東京は、外国人にとって、そのための機能と魅力を十分に持っているだろうか。それを高めるためのグランドデザインが必要と思われるが、果たして実効性のあるデザインが検討されているのか。それも分からない。以前東京を冷やすために海風を東京の内部まで引っ張ってくる風の道プロジェクトというのがあったが、どうなっているのだろうか。また東京直下型地震がかなりの確率で東京と襲うと予測されている。超高層ビルの周辺で、そのための安全対策、防災対策は十分に取られているだろうか。
今後東京23区内では1世帯当りの人数が1人台になっていくと予想されている。東京は住む町ではなく、仕事をする町、出かけていく町になっていくのではないか。東京の「中央区化」だ。夜は家の灯りも人影も少ない町になる。
人口減の時代、超高齢化の時代、日本がそのような時代にあって、どのように安全で、財政的にも健全で、幸福な社会を築いていくか、その国家モデルを創ることが求められている。同じような道を辿っている東南アジア諸国が先を行く日本の歩みに重大な関心を寄せている。それが実現できれば東南アジアを中心として外国人も多くやってくるだろう。高層ビルというハードだけでなく、町全体のシステムの心地良さが求められている。
個人的には江戸時代、外国人が江戸を訪れ、清潔で緑溢れる町に驚嘆したことを想起したい。現代において外国人が驚嘆する町づくりができるだろうか。そのために私にできることは何か。私達にできることは何?