東南アジアの農業の将来
農業の将来はどのようになるのだろうか。従来日本向けの食糧の供給を行なってきた東南アジア諸国でも経済成長の結果、中産階級が形成されるにしたがって、国民のホワイトカラー化が進んでいる。理由は「農業は儲からない」。農業をやっているかぎりは貧しさから抜け出せない、ということだ。かつて日本が農業国から工業国に変わっていったように、東南アジアでも国によって程度の差はあるが、工業化に向っている。その結果として農民は田畑を後にして都会にやってくる。要するに東南アジアでも農業に携わる人口が減少していく、ということであり、日本向けの食糧の供給(輸出)も減少していくことになる公算が大きい。欧米諸国は穀物も、食糧も自給率100%を越しているので大きな影響はないだろうが、日本はそうないかない。東南アジアの農村人口が減り、また生産される農産物が自国の中産階級向けに回されたら、輸出に回す量は減少し、日本向けはドンドン削られていくことになるはずだ。日本は輸入依存から自給に向けて舵を切る時に来ている。