横道の魅力

 

今日は表参道近辺でランチということになったが、いかんせんこのあたりは土地勘がないのでいきあたりばったりで店を探すことにした。表参道のみずほ銀行のところを右に曲がり、青山通りを少し行ったところで、一本、二本と横道を覗いた。大通りから見ると横道の奥に飲食店がある。良さそうだと思って近くに行ってみると店内が暗くなっていたり、扉が閉まったりしていてダメ。二本目の横道の奥に洒落たレストランが見えた。横道が途中で左に曲がっているが丁度その張り出した角に店があるので、見えたという訳だ。

食事をした後、この店ならまた来ようと思った。と同時に思いがけず「横道」というメタファーについて連想が働いた。表通り、本通りと横道、裏道。人生も仕事も会話も皆、表通り、本通りだけでは面白くないのではないか。横道、裏道があってこそ、本通りの魅力は倍加し、人を引き付けてやまないデイープな町になるのではないか。私が良く歩く神楽坂もそんな町だ。人生もそうかもしれない。理想的には沢山の横道、裏道を持った本通りの人生が望ましいが、私の場合は本通りがなくて横道、裏道ばかりのようで内心忸怩たる気持になる。会話もやはり時には横道にそれた方がいいのかもしれない。表通り、本通りと横道、裏道。お店の満足感のせいか、そんなことまで考えた。因みにお店の名はイタリアンカフェ「LUNA」表参道駅B4出口から徒歩2分。