歌と人生

最近KANAさんの歌をよく聞いている。好きな歌は「時間よ、止まれ」「哀愁のジャズシンガー」「リバーサイドカフェ」。そして今年の8月にリリースされた新曲「永久の月」。詞を読むと悲しい歌だ。恋人を病気で失い、その痛みを抱きしめながら生きていく若い女性が月を見上げる・・・そんなイメージの歌だ。今までKANAさんの歌を3曲聞いてきたが、KANAさんの声、雰囲気にぴったり合った歌、というのが私の感想になる。是非CDを購入して繰り返し聞いてみたい。

人は愛する人を失った時、過去に戻り、幸せだった頃、そのシーンを一つ一つ思い出し、涙に暮れ、いつの間にか死を間近に感じる。しかしそのような時、人は死から永遠を思う旅路をいつの間にか一人で歩いている。目を上げると夜空に月が昇り、星が瞬いている。月と星は暗闇の中で輝く。今の自分自身はそこ迄行くことはできない。だけど月を見ること、星を見ることはできる。存在を確信することはできる。それがどれほど人を慰めてくれるものか。

歌と人生が幸福な出会いをする時がある。歌が人生に寄り添ってくるのか、あるいは人生が歌に寄り添っていくのか、それは分からない。その出会いは時間的でもあり、空間的でもある。人生の終りの時まで、いろいろな歌と出会いたい。歌の中に人生があり、人生の中に歌がある。