無印良品の仕組みづくり

 

最近評判の本『無印良品は仕組みが9割』をルミネ北千住店8階の本屋で購入、早速読み始めた。私は本を読む時、以下のようなやり方をルーティンとしている。まず「はじめに」を読む。これで著者がこの本を書いた動機を知ることができる。また誰に一番読んでほしいか、がつかめる。次に「おわりに」を読む。本を全部書き終わった後、著者が読者に訴えたいことが凝縮された言葉でまとめられているからだ。そして目次を読み、関心を引いた個所に○印をつける。印をつけたところを読みながら考える。今回は一番最後の第5章から4章へと読み進んだ。○印をつけたところを読み終わった後、最後に本全体を読む。さて印の中から2つほど「さすが」と思わされ、教えられ、啓発されたことを挙げたい。

1.朝礼のマニュアルづくり。項目は何、なぜ、いつ、誰が、となっている。ここで私が

さすが、と思ったのは、「何」という項目だった。

朝礼とは、始業前に社員で集まり、挨拶や連絡をする行事。ここから挨拶の仕方、連絡事項の具体的内容へと進む。 業務を「そもそも何か」と定義することは仕事の本質を理解するためには必要不可欠の 作業だ。私達は「安心、安全な野菜」という言葉を口にする。細かいことだが、本来の順番は「安全、安心」だろう。安全が客観的に証明されて、主観的に安心する。「安心、安全で、美味しい食べ物」の場合、安心は消費者側の判断、安全、美味しいは生産者側の責任ということになる。この場合は安全とは、生産者が特に配慮する領域だ。生産者が安全ということを考え、その本質に迫り、理解することは仕事の意味、価値を変えていく力を持っている。私は昨日安全ということを深く考えさせられた。街に出れば、交通事故の危険性は常にある。事故に遭わない、事故を起こさないために安全を心がけるということは当然しなければならないことだが、自分の身を守るということの意味は限りなく深く、広い。自分が事故に遭えば、自分だけでなく、事故の関係者にも、それぞれの家族にも、仕事関係にも、はかりしれないダメージをもたらす。そこまで思いが及べば、安全に対する意識もより真剣になっていくはずだ。単なる言葉ではなく、起こりうる事実の連鎖まで考えてその言葉を受け止めることが大事だ。

もう一つは、提案書は「A4 1枚」。著者は伝えるべきポイントを自分で本当に把握していればA4 1枚表裏に要約できると言い切っている。そしてそのための指標として「業務基準書」があるとのことだ。この本を読みながら、感じたことは組織としての暗黙知、経験知を形式知化して共有していく、あの野中氏のSECIモデルの一つの実施例、成功例という印象を受けた。

著者が常に重視していることは「成果」を挙げるための意識と仕組づくりだ。「成果」を挙げることが仕事だ。この原則を改めて教えられた。