物語と共感、そして行動

ビジネスモデルデザインの分野でも「物語」の重要性が謳われている。商品とかサービスの内容がまずは社内の人々、また上層部に理解され、共感されるためには感情的な共感を得ることが不可欠だ。またその商品とかサービスを実際にお金を払って購入する消費者の感情と心の届き、購入行動を起こさせなければビジネスモデルはまさに画餅に終ってしまう。いかに物語を創るか、物語には3つの要素があるとハーバード大学のマーシャル・ガンツ博士は言う。(この部分は今夜のNHKの「クローズアップ現代」から)第一にセルフ、第二にアス(US=私たち)、第三にナウ(今何をするか=行動)。さて私たちは第一のセルフの物語から始めなければならないが、自分の思いを、自分の中の物語を相手に分かるように話すことに、私たち日本人の多くは慣れていない、ということがあるのではないか。

私自身今迄さまざまな経験をしてきたが、その経験を物語の形で編集する必要があるのだろうが、個人的体験を人に話すことに躊躇が感じる私たちは物語の形に編集する、ということを怠ってきたのかもしれない。編集する中でアスもナウも見えてくるのではないか。そう言われてみると私自身もそれなりに沢山の物語を実は持っていることに気付く。

少し自己抑制が効きすぎていたのかもしれない。物語ることによってセルフがアスの中に開放されていく。そのような開放感、価値の確認が人を行動への駆り立てるのではないだろうか。テレビを見ながら私の中の中で一つの物語を目覚めたのに気づいた。

ビジネスの世界では私のセルフと会社のセルフ、つまり商品とかサービスが重なり合ったところでビジネスモデルの物語が始まるのではないかと思わされた。