状況を判断する

若い頃、どうも状況判断が独りよがりになるため、悩んだことがある。本を読んで知識・

情報を吸収するのと違い、状況判断は文字通り目の前の状況、自分を取り巻く状況を読み、

考え、判断しなければならない。

私が当時、自分の状況判断力を磨くために繰り返し読んだ本は1977年9月15日に発行

された「状況判断学のすすめ」加藤昭吉著、講談社だった。この本を通じて状況の特性、

私達日本人のものの見方が部分思考、感情思考、総花思考であることを教えられた。正確

に状況を判断できなければ、有効な戦略を立てることはできない。一部を引用する。

「現実の問題は、数学の問題を解くようなわけにはいかない。与えられる条件そのものが

不確かなので、むしろ曖昧な情報をもとにして、何が問題であるのかをさぐり出すことの

ほうが問題になる。また、ある行動をとった時に、その結果がどうなるかを数量的に把握

できるとは限らない。したがって、状況を誤りなく把握して優れた解答(判断)を引き出

すためには、どうしても「不確かなもの」に対処する感覚や経験的な知恵が必要になる。」

加藤氏の本を読んで、私は状況判断の勘所を教えて貰った。それが、城野宏先生の「脳力

開発」「情勢判断」を学ぶことへとつながっていった。ポイントは状況、情勢を判断・把握

出来て初めて戦略が立てられる、ということだ。

今の日本はどのような状況にあるのか。

現在の世界はどのような状況にあるのか。

ひいては私が取り組んでいる事業はどのような状況にあるのか。

どのような形にせよ、どのようなレベルにせよ、状況判断をしなければならない。その後

加藤氏は「考え方の時代」(仮説からの発想)講談社、という本も出された。

また加藤氏はアメリカで開発されたPERTと呼ばれる計画技法の日本への紹介者でもある。
その関係で私も自分なりにPERTを勉強し、活用させて頂いた。