社員満足が第一

ゼンショウのすき家が問題になっている。休日もなく、睡眠時間も削られ、一部には小林多喜二の「蟹工船」並みの奴隷労働に例える向きもある。私はすき家に入ったことはないが、そのような疲労困憊した状態で、笑顔をつくり、接客する店員のことを考えると痛ましい気持ちにさえなる。ゼンショウの小川会長は全共闘出身とのことだが、このような奴隷労働並みのビジネスモデルをつくることによって、すき家を牛丼大手に成長させていったのだろうが、従業員を苛酷に酷使して利益を上げるやり方は、既に破綻しているのではないだろうか。やはり当たり前のことだが、従業員を大切にすることが経営の「入り口」だ。仕事にやりがいを感じ、自分の存在、役割が大切にされていると思うことができれば、社員はイキイキと仕事に責任を持って取り組みはずだ。日本は既に成熟経済の時代に入っている。この時代の特徴は「価値づくり」だ。それは経営トップの一方的な命令でできるものではない。お客様の一番近いところにいる社員の思い、気付きから生まれてくる。社員の知恵を結集させるところに日本的ビジネスモデルの真骨頂がある。社員満足→顧客への価値提供→業績アップ→会社の利益アップ→社員の成長→社員満足・・・というサイクルが回っていく。