米国GEの1~3月期決算に思うこと

4月18日の日本経済新聞朝刊。今回の新聞発表を読んで驚いたのは米国GEの全営業利益に占める金融事業の割合が2014年で42%を占めている、ということだった。半分近くの営業利益を金融事業で稼ぎだしている。一方傘下の子会社GEキャピタルがその不動産関連事業の縮小のために160億ドル(日本円換算 約1兆9000億円)の不動産評価損を出した。2015年1月~3月期の売上高が約3兆5000億円だからその評価損の大きさに目を向けざるを得ない。GEは今後業績変動リスクの大きい金融事業を縮小する方針に転換して2018年には全営業利益に占める割合を10%以下にする目標を掲げている。GEキャピタルが保有する不動産や金融資産がまだ265億ドル(約3兆1000億円)残っている。これをこれから3年かけて処分していこうというわけである。GEは本来の産業分野に回帰していく戦略を打ち出しているが、個人的には、そして素人目的には何ともGEらしくないな、と思う。今後不動産と金融資産の処分が順調に行ったとしてもある程度の処分損は発生するだろう。概算で約2兆円の損失になるとして、本業以外に金融事業を手がけて本当にメリットがあったのかどうか、総括が必要になるはずだ。金融が変動リスクの大きい分野であることは誰でも知っている。2008年の金融危機を契機に金融事業を縮小する方針に転換したとのことだが、「それを今頃」と言った感もある。儲かりそうだ、儲かるということで本業をさておいて株とか金融商品に手を出して会社をおかしくしたケースは枚挙に暇がない。かなり前のことだが、メリーチョコレートのことを思い出す。本業は順調で、ITの活用も先進的だった。会社が社長の暴走で自社では解決できないほどの金融負債を負った時、それを知った社員が呆然とした、という話を聞いたことがある。メリーの場合は社長個人の独断だったのだろうが、GEのような大きな組織でなぜこのような逸脱が起きたのか、一度時間のある時にでも調べてみたいものだ。