組織のサイズ

組織にはそれに合った大きさ、というものがあるのではないか、とある団体の総会に出席して思わされた。多くの人々が参加するようになると、目的ないしは方向性が同じであったとしても当然多様性が生まれてくる。それはそれで特に問題ではない、いやむしろ好ましいことかもしれない。しかしながら、何かを決めようとする時、問題が出てくる。特に多数決イコール民主主義ではないとしても、多数決で決める時、全員にとって利害が共通しているような場合は多数決で決めることができるだろうが、組織のあるグループから提起された議題については、多数決では否決されるという辞退が起ってくる。多数のコンセンサスを得ることが難しくなってくるというわけだ。

どのような組織であれ、一定の新陳代謝、改革、革新は組織の運営原則として実行可能なものでなければならないと思うが、こうしたことは組織の中の先進的グループが問題提起することが多い。組織の中の風通しが、良くて日頃から十分なコミュ二ケーションが取れていても、いざ決定するとなると多数の賛成が得られなくて、否決されるということになりがちだ。組織の中の人々はいつの間にか「現状維持」「現状の延長線的変化」を選ぶようになっていく。なぜなら現状に自分の居場所を確保しているからだ。

こうして、極端に言えば、組織は大きいが、重要なことは何も決められないという事態も起こってくる。

恐らく組織にはその目的に合った大きさ、というものがあるはずだ。組織が活力を維持しつつ、全員のコンセンサス、コミットメントが得られるようなサイズだ。一つの組織で300名というのに対し、50名の組織を6つ、あるいは100名の組織を3つ、という組織設計も考えられる。そして6つないしは3つの組織はそれぞれネットワーク化して一体感を持つようにする。

組織のサイズと活力はつねにリーダーにとって最重要課題の一つとなる。大きいことは必ずしもいいこと、ではない。