考える力をどのように維持し、高めていくか

スマホを使いすぎるとバカになる、という話がある。情報過多の流れの中を必死に泳いでいるようだ。絶えず画面を見ている。電車の中でも階段を降りる時にも小さな画面を見ている。考えるというより、すばやく反応することにエネルギーを使っている。またグーグルの検索を使いすぎると思考力が衰える、という話も本当だろう。以前あるテーマで40才台のH君がプレゼンをした。プレゼンの構成はそれなりにまとまっていたが、問題は2つあった。まずプレゼンの殆どの素材はグーグルから引用してきたものだ。現場に行っていないので、一歩踏み込んだ具体的質問が出てくると答えられない。2つ目の問題は「だから私はこのように考える、このような道筋で実現していきたい」という自分で考えた強い思いが出てこない。要するに頭が痛くなるほど、使っていない、ということだ。これでは思考力のスタミナがドンドン落ちていく。私からH君に伝えたことは、現場に行き、現場で考え、考え抜いてほしい。結論としてそれがどんなに単純な考え、意見であったとしても、自分で考えた、というところに価値がある。どのように考えたら良いのか、それを考えてみてほしい、と。情報過多の時代であればこそ、情報を的確に選別して、それを徹底した思考活動を通じて深めていくことが大事だ。私はそのために2つのことをしている。
1つはメモを取り、そのメモの内容を発展あるいは深める作業だ。思いついたことはどこでもメモをとる。そのメモを張りつけたノートが29冊目になった。もう一つは文章を書くことだ。考えながら書き、書きながら考える。この繰り返しをしながら毎日原稿用紙で2000字以上書くようにしている。私なりに感じていることはただボンヤリ考えたり、黙想するより、書いた方が思考力を刺激するようだ。ブログ2本を毎日書くことは毎日考える時間を持っている、ということになる。「浅い人から深いあるいは高い人になる」
情報化時代だからこそ、心がけたいことだ。