行って食べる魅力づくり

マルシェが盛んだ。最近心がけてマルシェに足を運んでいる。野菜を買うだけでなく、生産者との話が楽しい。地方の野菜をそのままで、あるいは加工して東京のマルシェの会場まで持ってきて販売をする。マルシェは東京に住み、働く人々にとって産地直送の野菜、果物に触れるまたとない貴重な機会だと思う。また地方で農業、酪農、漁業に携わる生産者にとっても都会の人々のニーズ、ウオンツを知るマーケティングの機会にもなっている

のだろうか。さて地方から都会へというベクトルとは逆になるが、都会から地方へというベクトルづくりも今後重要になるのでは無いか、と私は思っている。一言で言えば、産地に来て、産地のものを、産地でなければ食べられないものを食べにきてください、ということだ。鳴子温泉郷のお米、「ゆきむすび」。いち早く春が訪れる南房総では菜の花が有名だ。土地の割烹がフランス料理も参考にして都会の人々が喜びそうな菜の花のメニューを開発しているという話も聞いた。単品の菜の花を売るのではなくて、来て頂いて観光をして菜の花料理に舌鼓を打っていただく。来てくださったお客さんから「来て良かった。やはり産地でなければこんなに美味しいものは食べられないね」と言って頂ければ、地元のお金が入ってくる。お金が出ていくのではなくて、お金が入ってくるような環境ができれば、仕事のチャンスも増えてくるはずだ。そのためには「行って食べる魅力づくり」が大切だ。その魅力をどのようなコンセプトでつくり上げていくか、ステレオタイプの発想ではなく、大いにデザイン精神を発揮して考えてみたいところだ。2つのベクトルがパワーを持てば、その相乗効果も加速すると思われる。